避妊薬ピルとはどのような薬か

 

ピルとのつきあい方HOME


経口避妊薬ピルとは
排卵後、妊娠中の女性の体内では、血中の黄体ホルモン濃度が高まります。
黄体ホルモン濃度が高まると卵巣は活動を停止し、
排卵は起きません。
この原理を避妊に応用したものが、避妊薬ピルです。
ピルは経口薬として開発されました。
英語では、oral contraceptive pillです。
これをOCPと略すことがあります。
また、the pill(あの錠剤)も避妊ピルを意味します。
現在では、経皮や経膣で摂取できる避妊薬が開発され使用されています。
非経口薬を含めて、ホルモン避妊法と総称されます。
ピルはホルモン避妊法の中の一種です。



■イノベイターとしてのピル

ピルとは何かという問いには、もう一つの答えがあります。
「ピルとのつきあい方」の表紙には、
「ピルは単なる避妊薬ではありません。
ピルという友達を得て、この友達と仲良くつきあうことによって、
女性の人生がそれぞれにより輝くものであってほしい。
このような願いを込めて、「ピルとのつきあい方」にしています。」
と書いてきました。
このように書きましたが、
その意味はあえて説明しませんでした。
欧米社会では、ピルは文化のイノベーター(改革者)でした。
ピルが何を改革してきたのか、
3つの例で説明しましょう。

日本語にプライバシーという言葉があります。
日本語のプライバシーと英語のprivacyの間にはやや意味の違いがあります。
避妊は「わたくしごと」の領域に属します。
「わたくしごと」の領域に属する避妊に国家が関与するのは、
憲法に反するのではないかという問題がありました。
※グリスウォルド対コネチカット (Griswold v. Connecticut)事件
ピルの利用を国家が制限したり禁止するのは、
「privacy」権の侵害であるとの考えがプライバシーという考えの起源です。
ピルはプライバシーという概念とともに、
脱パターナリズムの文化を創っていきました。
(※パターナリズム:強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、
介入・干渉すること)

医療の分野における脱パターナリズムのきっかけを作ったのもピルでした。
ピルは人類が始めて経験した「飲む予防薬」でした。
ピルのない治療だけの時代、医師は決定し、指示する人で、
患者はそれに従う人でした。
ピルは治療薬ではありませんから、
医師が決定し指示することになじまなかったのです。
そこで出てきたものが「相談する」医療の形でした。
相談する医療の形の中で生まれてきたのが、
インフォームドコンセントという考えです。
それはまた、チーム医療の考えの遠い起源となりました。

人類にとって、セックスの意味は生殖と快楽でした。
ピルの出現によってセックスの意味は、
愛の行為へと変容していきます。
愛の行為としてのセックスの意味づけは、
特に女性に支持され男性にも共有されるようになります。
セックスが愛の表現行為と考えられる社会では、
セックスの回数が増加し売春が減少する傾向が見られます。
新しいセックス観がピルを普及させ、
ピルの普及が新しいセックス観を広めました。
ある統計によると日本は、
売春の多い、そしてセックス回数の極端に少ない国です。
セックスの意味変化、ライフスタイルの変化、ピルの使用。
欧米ではこの3者に深い関係があったように思われます。
日本の40年間にわたるピルの禁止が、
歪な病理(セックスレスなど)を生み出したのかもしれません。

以上、3つの例を挙げて、ピルが文化のイノベーターであったことを説明しました。
これを逆から言えば、イノベートされていない社会では、
避妊薬ピルの受容には抵抗が強いのです。
ピルの治療薬化は起きるべくして起きたこととも言えます。
これらの問題については「ピルから見える日本」で考察します。


小さなつぶやき、大きな一歩

ピルとのつきあい方HOME

 
■ピル関連用語解説

■ピル関連製品一覧


■ピルの仕組み
ピルで避妊できる3つの理由


ミニピルの避妊メカニズム

ミニピルの服用法

ミニピルのメリット・デメリット

ミニピルの進化

日本の「ミニピル」


混合ピルというアイディア

生物的ホルモン活性

エストロゲン剤の活性


■自分に合ったピル
 自分に合ったピル

 エストロゲンの用量と活性

 黄体ホルモンの強さ

 アンドロゲンの強さ

 ピル選びのヒント
















このHPの著作権はrurikoにあります。無断転載及び画像の使用は禁止します。
Copyright(C) 1999-2012 ruriko. All rights reserved